エレベーターの故障が増えたら?保守継続とリニューアルの判断基準

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エレベーターを長く使用していると、故障や部品交換が少しずつ増えていきます。

最初は年に一度程度だった故障が半年に一度、数か月に一度と増えてくると、管理会社やオーナーは「そろそろリニューアルした方がよいのではないか」と考え始めます。

一方、リニューアルにはまとまった費用が必要です。まだ修理できるのであれば、できるだけ使い続けたいと考えるのも自然です。

重要なのは、設置年数だけで更新時期を決めることではありません。故障回数、修繕費、部品供給、停止時間、設備状態などを総合的に確認することです。

この記事では、日常メンテナンスや修理を続ける段階と、リニューアルを具体的に検討した方がよい段階の違いを解説します。

故障したからすぐリニューアルではない

エレベーターが一度故障しただけで、すぐ全面更新が必要になるわけではありません。

機械設備である以上、比較的新しい設備でも部品の不具合は発生します。

単発的な故障

ドアへの異物混入、一時的なセンサー不良、消耗品の劣化など、原因が明確で交換後に問題が再発していないのであれば、通常の修理で対応できます。

繰り返す故障は注意する

問題なのは、同じ不具合が何度も発生する場合です。

ドア調整を繰り返している、同じエラーで何度も停止している、複数箇所で修理が続いているといった場合は、部分的な修理だけでは根本解決になっていない可能性があります。

メンテナンスチェック項目

故障回数を記録する

リニューアル判断を感覚だけで行わないためには、故障履歴を記録しておくことが重要です。

年間停止回数を見る

直近1年間だけでなく、過去3年程度の停止回数を比較します。

年間1回だったものが3回、5回と増えているのであれば、設備全体の老朽化が進んでいる可能性があります。

故障原因を分類する

停止回数だけではなく、原因も確認します。

ドア周りに集中しているのであれば、ドア装置の部分更新で改善できる可能性があります。

制御関連のエラーが増えている場合は、制御リニューアルを検討できます。

複数の主要設備で不具合が出ている場合は、より広い範囲の更新を検討した方が合理的な場合があります。

修繕費の増加を見る

エレベーターの維持管理では、月額保守費だけでなく修繕費も確認する必要があります。

都度修理の積み重ね

POG契約などでは、部品交換や修理が別途費用になることがあります。

一回の修理金額がそれほど大きくなくても、年間で何度も発生すると相当な金額になります。

数年間の修理費を合計し、更新費用との比較材料にしましょう。

修理した部品以外も古い

一つの部品を新品へ交換しても、他の部品の使用年数は変わりません。

古い設備では、一箇所を修理した後に別の部品が故障することがあります。

こうした状態が続くと、修理費をかけながら設備全体の老朽化は解消されないという状況になります。

部品供給状況を確認する

リニューアル判断で重要なのが、主要部品の供給状況です。

部品がある間は修理できる

交換部品が安定して入手でき、保守会社が技術的にも対応可能であれば、修理を続ける選択肢があります。

特に大きな故障がなく、主要機器の状態も良好であれば、急いでリニューアルする必要はありません。

供給終了は大きな判断材料

一方、制御基板など重要部品の供給が終了している場合は注意が必要です。

現在正常に動いていても、その部品が故障した瞬間に長期停止するリスクがあります。

故障してからリニューアルを検討すると、十分な比較や予算準備ができないため、供給終了が分かった段階から更新計画を作る方が安全です。

復旧時間が長くなっていないか

故障回数だけではなく、一回の故障から復旧までにかかる時間も重要です。

当日復旧できる状態

技術者が現地で調整または部品交換し、その日のうちに復旧できる状態であれば、運用への影響は比較的小さいでしょう。

数日停止する状態

部品取り寄せのために数日間停止する故障が増えている場合は、利用者への影響が大きくなります。

特にエレベーターが一台しかないマンションでは、復旧時間の長期化は大きな問題です。

修理費だけではなく「停止による影響」もリニューアル判断へ含める必要があります。

部分更新という選択肢もある

リニューアルというと、エレベーター全体を交換するイメージがありますが、すべてを一度に更新する方法だけではありません。

制御リニューアル

制御盤や関連機器を更新する方法です。

制御系エラーや部品供給問題が中心であれば、有効な選択肢になる場合があります。

ドア周りの更新

ドア装置、センサー、ローラーなどの不具合が集中している場合は、ドア周りをまとめて更新することで故障頻度を抑えられる可能性があります。

全体更新

制御、ドア、駆動系、安全装置など複数の箇所で老朽化が進んでいる場合は、部分更新を繰り返すよりも、全体的なリニューアルを検討した方が合理的な場合があります。

保守会社から複数案を出してもらう

更新時期を判断するときは、「リニューアルするか、しないか」の二択にしないことがポイントです。

保守会社へ、

現状のまま修理を続けた場合、

主要部品だけ更新した場合、

広い範囲をリニューアルした場合、

の複数案を提案してもらうと判断しやすくなります。

それぞれについて、初期費用、想定使用期間、今後必要な修繕、工期、停止時間を比較しましょう。

長期修繕計画へ反映する

特にマンションでは、エレベーターリニューアルを突然決めることは困難です。

まとまった資金が必要になるため、数年前から長期修繕計画へ反映しておく必要があります。

故障回数や部品供給状況から5年以内に更新が必要になる可能性があると判断したら、早い段階で概算見積を取得するとよいでしょう。

早めに予算を把握できれば、修繕積立金の見直しや総会説明も準備できます。

まとめ

エレベーターの故障が増えても、必ずしもすぐ全面リニューアルする必要があるわけではありません。

重要なのは、故障回数、故障原因、修繕費、部品供給、復旧時間、主要機器の状態を総合的に確認することです。

単一の部品が問題であれば修理や部分更新で対応できる場合があります。一方、複数箇所の故障が増え、部品供給も不安定になっているのであれば、全面的なリニューアルを検討する時期かもしれません。

故障してから慌てて判断するのではなく、点検報告書と故障履歴をもとに早い段階から複数の選択肢を比較することが、費用と停止リスクの両方を抑える設備管理につながります。

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