築20年・25年のエレベーターは更新すべき?リニューアル時期の見極め方

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エレベーターは築年数だけで更新時期を決めない

エレベーターの劣化状況は、築年数だけでは判断できません。同じ20年でも、利用頻度、建物用途、点検状況、過去の部品交換履歴によって状態は大きく異なります。

利用頻度によって設備への負担が変わる

小規模なマンションで1日の利用回数が少ないエレベーターと、大規模なオフィスビルで朝から夜まで動き続けるエレベーターでは、ドア装置や巻上機、制御機器にかかる負担が異なります。

特にドアは、エレベーターが1回動くたびに開閉するため、利用回数が多い物件ほど摩耗しやすい部分です。築年数が同じでも、故障頻度に差が出ることがあります。

そのため、更新時期を判断するときは、設置年だけでなく、稼働状況も確認する必要があります。

過去の修理履歴を見る

リニューアルを検討する際は、直近3年から5年程度の修理履歴を確認しましょう。

同じ箇所で何度も故障が発生している場合や、修理費が年々増えている場合は、設備全体が老朽化している可能性があります。

例えば、毎年ドア装置を修理している、制御エラーが頻繁に発生する、巻上機から異音が出ているといった状況であれば、個別修理を続けるより更新した方が合理的になることがあります。

エレベーターメンテナンスのポイント

部品供給は更新判断の重要なポイント

築年数が進んだエレベーターで特に注意したいのが、部品供給です。

動いていても部品が入手できないことがある

エレベーター本体が正常に動いていても、内部で使用されている基板や制御装置がすでに製造終了になっている場合があります。

この状態で故障すると、部品をすぐに入手できず、代替品の調査や修理に時間がかかる可能性があります。

1基しかエレベーターがないマンションで数日、場合によってはそれ以上停止すると、住民の生活への影響は非常に大きくなります。

更新を判断するときは、「今動いているか」だけでなく、「壊れたときにすぐ直せるか」を確認することが重要です。

保守会社へ確認しておきたいこと

保守会社には、主要部品の供給状況を確認しておきましょう。

特に、制御盤、インバーター、基板、ドア制御機器、巻上機関連部品などについて、今後も安定して入手できるかを聞いておくと安心です。

供給終了が近い部品が複数ある場合は、本格的にリニューアルを検討するタイミングと考えられます。

故障回数だけでなく停止時間を見る

更新時期の判断では、故障回数だけでなく「復旧まで何時間・何日かかったか」も重要です。

復旧時間が伸びている場合は注意

以前は数時間で直っていた故障が、最近は部品手配のため翌日以降まで停止するようになった場合、設備の老朽化や部品供給の問題が進んでいる可能性があります。

故障件数が年2回から3回程度でも、毎回長期間停止するのであれば、利用者への負担は大きくなります。

特に高齢者の多いマンションや、エレベーターが1基しかない建物では、停止時間を重要な判断基準にすべきです。

法定検査や安全装置の状態も確認する

古いエレベーターでは、設置当時と現在で求められる安全対策が異なることがあります。

安全性を更新の機会に見直す

リニューアル時には、制御装置や駆動設備だけでなく、安全装置についても見直すことができます。

地震時管制運転、停電時自動着床、戸開走行保護装置など、現在の設備にどの安全対策が備わっているかを確認しましょう。

設備が古い場合は、機器更新と安全対策を別々に行うより、リニューアル時にまとめて対応した方が合理的なケースもあります。

修理を続けるか更新するかの判断方法

「まだ修理できるので、リニューアルは必要ない」と考えるケースもあります。しかし、修理を続けることが必ずしも経済的とは限りません。

数年間の修理費を集計する

まず、直近3年から5年間の修理費を合計してみましょう。

毎年まとまった修理費が発生している場合、今後も同程度、あるいはそれ以上の費用が発生する可能性があります。

リニューアル費だけを見ると高く感じますが、今後10年間で発生する修理費や停止リスクまで含めて考えると、更新の方が合理的になることもあります。

建物を今後何年使うかも重要

建物自体を今後20年、30年利用するのであれば、エレベーターも長期的な視点で更新計画を立てる必要があります。

一方、数年以内に建て替えを予定している建物では、大規模なフルリニューアルより、必要最低限の部分更新の方が合理的な場合があります。

設備だけを見るのではなく、建物全体の長期計画と合わせて判断しましょう。

更新を急ぐ必要がないケース

築20年以上であっても、すぐにフルリニューアルしなければならないとは限りません。

定期点検で状態が良好、故障が少ない、主要部品の供給にも問題がない、安全装置にも大きな問題がない場合は、計画的に準備期間を設けることができます。

この期間に複数社から見積を取り、更新方法や工期、予算を比較しておけば、突然故障してから慌てて施工会社を決める必要がありません。

エレベーター記事まとめ

まとめ

築20年・25年のエレベーターは、年数だけを理由に更新する必要はありません。しかし、故障履歴、部品供給、復旧時間、安全装置、修理費の増加などを確認し、更新を検討する時期に入っているかを判断する必要があります。

重要なのは、故障してからリニューアルを考えるのではなく、正常に動いているうちから選択肢を比較することです。

現在の状態を把握し、部分更新・フルリニューアル・継続使用の3つを比較したうえで、建物を今後どれくらい利用する予定なのかまで含めて判断することが、失敗しない更新計画につながります。