古いエレベーターの安全対策|既存不適格とリニューアルで確認すべきポイント

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なぜ古いエレベーターは現在の仕様と違うのか

エレベーターが20年、30年前に設置された場合、その当時の法律や技術基準に基づいて設計されています。

その後、事故や災害の教訓、新しい技術の普及などにより、安全基準は改正されてきました。

メンテナンスチェック項目

法改正後もすぐ交換とは限らない

法改正のたびに国内すべてのエレベーターを交換することは現実的ではありません。

そのため、設置当時は適法だった設備が、現在の新設基準と異なる状態で使われている場合があります。

これが既存不適格として扱われるケースです。

ただし、現在の安全装置が備わっていない場合、設備を今後さらに長期間使用するのであれば、改修を検討する価値があります。

戸開走行保護装置とは

古いエレベーターの安全対策としてよく挙げられるのが、戸開走行保護装置です。

扉が開いた状態で動くことを防ぐ

通常、エレベーターは扉が閉じてから動きます。しかし、制御装置や駆動装置に異常が生じた場合、扉が開いたまま動こうとする危険があります。

戸開走行保護装置は、このような異常が発生した際にエレベーターを制止するための安全装置です。

古い設備では設置されていない場合があるため、リニューアル時に確認しておきたい重要項目です。

地震時管制運転も確認する

日本では地震対策も重要です。

地震を検知した際、エレベーターを最寄り階へ停止させ、利用者を安全に降ろすための機能が地震時管制運転です。

古い設備では仕様を確認する

エレベーターの設置年代によっては、現在一般的な地震対策機能が搭載されていない場合があります。

リニューアルの際には、既存設備にどの地震対策が備わっているかを確認し、必要に応じて追加することを検討しましょう。

停電時自動着床装置

停電が発生した際にエレベーターが階と階の間で停止すると、利用者が閉じ込められる可能性があります。

停電時自動着床装置は、停電時にバッテリーなどを利用して最寄り階まで移動し、扉を開けるための機能です。

古い設備では未搭載の場合があります。

病院、高齢者施設、マンションなど、閉じ込めによる影響が大きい建物では確認しておきたい機能です。

リニューアルですべて最新にする必要はある?

安全装置を追加できるからといって、すべてを一度に更新しなければならないとは限りません。

優先順位をつける

安全性に直結する設備を優先し、そのほかの意匠設備などは後から更新する方法もあります。

例えば、

制御系と安全装置を先に更新し、かご内装は次年度に行う

といった段階的な計画です。

予算に制約がある場合は、安全性と故障リスクを優先して更新範囲を決めることが重要です。

見積では安全装置を個別に確認する

リニューアル見積を見るときは、「安全対策一式」という表現だけでなく、具体的な装置名を確認しましょう。

比較表を作ると分かりやすい

安全項目A社B社C社
戸開走行保護装置オプション
地震時管制運転
停電時自動着床オプション
耐震対策一部
非常通話

会社によって標準工事に含まれるものと、オプションになるものが異なる場合があります。

総額だけでなく安全対策の範囲を揃えて比較しましょう。

まとめ

古いエレベーターは、設置当時の法令や安全基準に沿って設計されているため、現在の新設設備と安全仕様が異なる場合があります。

既存不適格だから直ちに使用できないということではありませんが、今後も長期間使用するのであれば、リニューアルを機に安全対策を見直すことには大きな意味があります。

戸開走行保護装置、地震時管制運転、停電時自動着床など、自分の設備に何が備わっているのかをまず確認しましょう。

そして複数社から提案を受ける際は、金額だけでなく安全装置の内容も同じ条件で比較することが重要です。