遺品整理の手順とコツ:効率よく片付けるために知っておきたいこと

初めて遺品整理を任された方へ。 愛する親との別れを経験し、その遺品を整理することは、精神的にも肉体的にも大きな負担となるでしょう。遺品整理とは、故人が残した品々を整理し、必要なものとそうでないものを分別していく作業です。しかし何から手をつければいいのか、途方に暮れてしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、40~50代の子世代を主な対象に、日本国内での遺品整理の基本手順とコツを温かいサポート目線で解説します。遺品整理を進める上での心構えや具体的な手順、専門業者に依頼するポイントなど、初めてでも安心して取り組める情報をまとめました。この記事を読めば、遺品整理に必要な知識が身につき、必要に応じて専門の遺品整理業者へ依頼する判断材料も得られるでしょう。
遺品整理とは何か?
「遺品整理」とは、故人が生前に使用していた家具や衣類、日用品、貴重品などあらゆる遺品を整理することです。単に家財道具を片付けるだけでなく、思い出の品を選び取ったり、貴重品や重要書類を探し出したりする作業も含まれます。遺品整理は残されたご遺族にとって故人との最後の時間を過ごすプロセスでもあり、遺品に対峙することで気持ちの整理をつける大切な儀式とも言えるでしょう。
遺品整理は本来、遺族自らが行うものですが、近年は高齢の親が亡くなり遠方に住む子世代が対応するケースや、遺品の量が多く手に負えないケースも増えています。そのため、遺品整理の専門業者に依頼する人も増加傾向にあります。まずは遺品整理の基本を理解し、どのように進めるか計画を立てることが大切です。
遺品整理を始める前の準備と心構え
初めて遺品整理を行う前に、しっかりと準備と心構えをしておくことがスムーズな作業のカギとなります。いきなり片付けを始めるのではなく、事前に以下のポイントを確認しましょう。
- 必要な道具の準備: 遺品整理には大量のゴミ袋やダンボール箱、ガムテープ、マジックペン、手袋、マスクなどが必要です。使えるものと処分するものを仕分けるために、ラベルシールや分類用の付箋紙も用意しておくと便利です。また、ホコリ対策として掃除道具(ほうき、ちりとり、掃除機)や除菌シートも準備しておきましょう。
- 心構えとスケジュール: 遺品を目の前にすると悲しみがぶり返すこともあります。無理をせず、ご自身や家族の心に寄り添いながら進める心構えが大切です。あらかじめ作業のスケジュールを立て、計画的に進めましょう。特に遠方から実家に通う場合は、まとまった日程を確保して臨みます。
- 親族との連絡・役割分担: 遺品整理は一人で抱え込まず、兄弟姉妹など親族で協力するのがおすすめです。事前に親族と連絡を取り、形見分け(故人の思い出の品を誰が引き取るか)について相談しておきましょう。また、遠方の親族には写真やリストを共有し、希望する遺品があれば取り置くなど配慮します。
- 重要書類や貴重品の確認: 作業を始める前に、遺言書の有無を確認しましょう。公正証書遺言でない封印された遺言書が見つかった場合は、勝手に開封せず家庭裁判所で検認を受ける必要があります。また、故人の通帳や印鑑、保険証券、不動産権利証などの重要書類は後々の手続きに必要となるため、先に確認し紛失しないよう保管します。

こうした準備と心構えについて、詳しくは「遺品整理を始める前に:準備と心構え」のページも参考にしてください。
遺品整理の具体的な流れ
実際の遺品整理は、いくつかのステップに分けて進めると効率的です。以下に一般的な遺品整理の流れとコツを紹介します。
- 部屋全体を見渡して計画を立てる: 最初に家全体の遺品の量と種類を把握します。どの部屋から手を付けるか、作業の順番を決めましょう。貴重品や重要書類は紛れていそうな場所から優先的に探し、先に確保しておくと安心です。
- 遺品の仕分け作業: 遺品を一つひとつ手に取り、以下のカテゴリーに分別します。
- 残すもの(保管する品): 写真や手紙、思い出の品、形見として取っておきたいもの。これらはきれいな箱やアルバムにまとめ、誰が保管するか決めます。
- 譲るもの(形見分けする品): 親族や故人と縁のあった方に譲りたいもの。後日渡すためにリスト化し、名前を付箋に書いて貼っておくと混乱を防げます。
- 処分するもの: 使用不可な家具や衣類、故人が残した大量の日用品など、残念ながら処分せざるを得ないもの。後述の方法で自治体のゴミとして処分するか、業者に回収を依頼します。
- 売却・寄付できるもの: 価値がある品や再利用可能な品はリサイクルショップでの売却や、寄付を検討します。骨董品や貴金属類は専門買い取り業者に査定を依頼するとよいでしょう。
- 供養が必要なもの: 写真や人形、仏壇、神棚、故人が大切にしていた品など、そのまま捨てるのは忍びないものはお寺や神社で供養(お焚き上げ)をお願いすることもできます。
- 不用品の処分: 分別が終わったら、処分するものを撤去します。自治体のゴミ収集ルールに従い、燃えるゴミ・燃えないゴミ・粗大ゴミに分類して指定日に排出します。大型家具や家電製品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど)は家電リサイクル法に則り、自治体指定の方法で処分しましょう。量が多い場合や処分が困難なものは、遺品整理業者や不用品回収業者に相談するとスムーズです。
- 部屋の清掃: 遺品の搬出が終わったら、最後に部屋全体を掃除します。長年手付かずだった場所はホコリや汚れが溜まっていることが多いため、掃除機や雑巾できれいに拭き掃除をしましょう。必要に応じて消臭や簡易な修繕も行います。住居を明け渡す場合や売却予定がある場合は、専門のハウスクリーニングを依頼するのも一つの方法です。
- 供養とお焚き上げ: 供養が必要と判断した遺品については、お寺や神社に依頼してお焚き上げをしてもらいます。特に人形・ぬいぐるみ・写真・手紙類は、感謝の気持ちを込めて供養すると心が落ち着くでしょう。遺品整理業者の中には、合同供養を代行してくれるサービスもあります。
- 形見分けの実施: あらかじめリストアップした形見分けの品は、四十九日法要や百箇日など親族が集まるタイミングで手渡すと良いでしょう。直接会えない場合は宅配便で送ることもありますが、その際にもひと言手紙を添えるなど気持ちを伝える配慮をします。

このような手順で一つひとつ進めていけば、膨大に思えた遺品整理も着実に進行します。→ 詳細な仕分け方法や処分方法については、「遺品の分別方法と処分の仕方」のページも参考にしてください。
遺品整理を業者へ依頼する場合のポイント
遺品の量が多かったり、自分たちだけでは対応が難しい場合は、遺品整理の専門業者に依頼することも検討しましょう。業者に依頼する際には、以下のポイントを押さえておくと安心です。
- 事前見積もりとサービス内容の確認: 複数の業者から見積もりを取り、料金体系とサービス内容を比較しましょう。見積もりはできれば現地立会いのもとで行ってもらい、遺品の量や作業範囲に応じた正確な金額を提示してもらいます。料金に含まれるサービス(仕分け、清掃, 供養代行, 買取査定など)も事前に確認してください。
- 許可や資格の有無: 遺品整理業者を選ぶ際は、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか、または適正に自治体と提携して廃棄物処理を行っている業者を選びましょう。不用品を不法投棄する悪質業者を避けるためにも、許可の有無は重要なチェックポイントです。また、遺品整理士など専門資格を持ったスタッフが在籍している会社だとより信頼できます。
- 信頼できる業者か見極める: 電話やメールでの問い合わせ時の対応や、口コミ・評判も参考にしましょう。丁寧に相談に乗ってくれるか、作業内容を明確に説明してくれるかは大切なポイントです。疑問に思う点にはしっかり答えてくれる業者を選び、契約内容も書面で交わすようにします。
- 悪徳業者に注意: 中には不当に高額な請求をしたり、遺品を乱暴に扱う悪徳な業者も存在します。「今すぐ契約しないと追加料金が発生する」などと急かす業者や、正式な見積書・契約書を出さない業者には注意が必要です。心配な場合は自治体や消費者センターに相談すると良いでしょう。

こうしたポイントを踏まえて業者を選べば、プロの手による迅速かつ丁寧な遺品整理で心身の負担を軽減できます。業者選びの詳細なコツについては、「遺品整理を業者に依頼するメリットと選び方」のページでも解説しています。
依頼すべきおすすめの遺品整理業者【業者紹介】
ここでは、日本全国で遺品整理を依頼できる信頼性の高いおすすめ遺品整理業者をいくつか紹介します。それぞれ実績が豊富で口コミ評価も高く、初めての方でも安心して依頼できる業者です。
- 遺品整理プログレス – 業界トップクラスの実績を持ち、費用の明瞭さと丁寧な作業で定評のある業者です。遺品整理士の資格を持つスタッフが多数在籍し、貴重品の捜索や買い取りにも対応しています。見積もり無料で相談しやすく、「遺品整理=プログレス」というほど知名度も高い会社です。
- 心のミナト – 遺族の心に寄り添いながら、遺品整理をサポートする専門業者です。単なる片付けではなく、故人の思い出を大切にしながら整理を進めることを重視し、形見分けや供養の相談にも対応。不要品の適正処分やリサイクルにも力を入れており、環境にも配慮した遺品整理を行っています。明瞭な料金体系と柔軟なプランが特徴で、遠方に住んでいる場合でも安心して依頼可能。供養やお焚き上げのサービスも充実しており、大切な品を心を込めて整理してくれます。
- 遺品の整理屋さん – 買取サービスに強みを持つ遺品整理業者です。骨董品やブランド品など価値のある遺品はその場で査定・買い取りしてくれるため、処分費用を抑えられる場合があります。事前の出張見積もり・相談も無料で、丁寧にヒアリングして要望に沿った作業プランを提案してくれます。
- 遺品整理ネクスト – 専任の担当スタッフが最初の相談から作業完了まで一貫対応してくれるため、安心感が違います。細やかな気配りと徹底した仕分け作業が評判で、遺族の気持ちに寄り添ったサービスを提供している業者です。こちらも全国に支店があり、迅速な対応が期待できます。
- ライフリセット – 全国対応の大手遺品整理業者です。24時間365日いつでも相談・依頼が可能で、戸建てからマンションまで幅広く対応しています。遺品の仕分けから清掃、供養までトータルサポートしてくれるため、遠方に住んでいる場合でも安心して任せられます。
いずれの業者も事前に見積もりを依頼し、納得してから契約することが大切です。地域や遺品の量によって適した業者は異なりますので、上記を参考にしながらご自身に合ったサービスを選んでください。
まとめ:安心して遺品整理を進めるために
遺品整理は故人との別れを実感する寂しさや、膨大な作業量への不安もあり、最初は戸惑うことが多いでしょう。しかし、しっかりと準備をして計画的に進めれば、必ず区切りをつけることができます。 無理をせず、ご自身のペースで進めてください。
大切なのは、故人の想いを大事にしつつ、残されたご自身の生活も大切にすることです。すべてを自分一人で抱え込む必要はありません。家族や信頼できる専門業者の力を借りながら進めれば、心の負担も軽くなるでしょう。遺品整理を通じて生前の思い出を振り返り、悲しみを乗り越える過程は、きっとこれからの生活への一歩となります。
初めての遺品整理で不安は尽きないかもしれませんが、本記事がお役に立てれば幸いです。必要な知識を得た今、焦らず一つひとつ向き合ってみてください。あなたが心穏やかに遺品整理を終え、新たな日常へ踏み出せることを心より願っています。