遺品整理業者の選び方

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遺品整理を業者に依頼しようと決めたものの、「どの業者に頼めばいいのか」「信頼できる業者かどうか不安」と感じる方も多いでしょう。遺品整理業者は年々増加しており、その中には悪質な業者も存在するのが実情です。ここでは良い業者と悪い業者の見分け方や、後悔しないための業者選びのポイント(料金・対応エリア・口コミ等)、そして実際に依頼する際の流れについて解説します。大切な遺品整理を安心して任せられる業者を選ぶ参考にしてください。

良い業者と悪い業者の見分け方

まずは信頼できる業者避けるべき悪徳業者の違いを押さえておきましょう。不幸にも一部では悪質業者とのトラブル事例も報告されています​。以下のポイントに注意して見極めましょう。

  • 許可・資格の有無: 遺品整理業そのものに国家資格はありませんが、関連する許認可として「一般廃棄物収集運搬業許可」や「古物商許可」などが必要です。優良業者はこれらの許可を取得、または許可業者と提携して適法に処分を行っています。一方、無許可で不用品を回収する業者は不法投棄など法令違反を犯す恐れがあり危険です。また、民間資格の「遺品整理士」を有したスタッフが在籍している業者は、一定の知識と倫理観を持っている目安になります。
  • 見積もりや料金の透明性: 信頼できる業者は、現地見積もりを行い詳細な見積書を提示してくれます。料金項目(人件費・車両費・処分費・買取額相殺など)が明確で、追加料金の有無も説明があります。悪徳業者は「電話やメールだけで概算見積もりを出し、現場で高額追加請求する」といった手口をとる場合があります。極端に安い見積もりも要注意で、後から法外な追加料金を請求される例が報告されています。適正価格の範囲内かどうか、複数社の見積もりを比較して判断しましょう。
  • スタッフの対応: 良い業者のスタッフは礼儀正しく丁寧で、遺族の心情に配慮した対応を心がけます。質問にも親切に答え、専門用語もわかりやすく説明してくれるでしょう。逆に高圧的な態度だったり、質問をはぐらかす業者は注意が必要です​。また、問い合わせの電話やメールの対応が不誠実だった場合も避けたほうが無難です。
  • 立ち会いへの姿勢: 遺品整理当日に依頼者の立ち会いを歓迎する業者がほとんどですが、万一立ち会いを拒むような業者がいれば要注意です。「作業中は来ないでください」などと言う業者は、依頼者の目を盗んで貴重品を抜き取ったり、不適切な処理をする恐れがあります​。基本的に優良業者は作業をオープンに行い、依頼者に逐一確認しながら進めてくれます。
  • 実績・評判: 口コミや利用者の声は貴重な判断材料です。公式サイトに利用者の声が載っている場合はもちろん、独立した口コミサイトや地域の掲示板で評判を調べてみましょう。「対応が丁寧」「迅速で助かった」などポジティブな評価が多数なら安心できます。ただし悪徳業者は評判が悪いため口コミ自体がほとんど無いケースもあります。まったく情報が出てこない業者は慎重に。逆に長年営業して実績豊富な業者や、テレビ・新聞で紹介された実績のある業者は信頼度が高いと言えます。
  • 所在地の明示: 公式サイトに住所や連絡先が明記されているか確認しましょう。所在地がはっきりしない業者は避けるべきです。中には嘘の住所を掲載している悪徳業者も存在します。実在するかGoogleマップ等で確認してみるのも手です。関東エリアであれば東京や横浜など拠点を構えているか、対応エリアが広すぎないか(全国対応とうたいながら実態がない等)もチェックしましょう。

以上の点を総合的に見て、「ここなら信頼できそうだ」と思える業者を選びます。悪質業者は年々巧妙になっていますが、上記のような特徴で見分けることが可能です​。大切な遺品を安心して任せるため、業者選びは慎重に行いましょう。

遺品整理業者

業者選びのポイント(料金・対応エリア・口コミ)

具体的に業者を比較検討する際、注目すべきポイントを整理します。

  • 料金体系: 業者によって料金の算出方法が異なります。一般的には「間取り(部屋の広さ)ごとにパック料金」「トラック積載量(◯トントラック何台)」「人員×作業時間」などの方式があります。見積もり時に料金内訳を細かく確認しましょう。料金が相場より極端に安い場合は前述のとおり注意が必要です。逆に高すぎる見積もりも問題外ですので、複数社から相見積もりを取って適正な金額感を掴むことが大切です​。なお、買取可能な品があれば見積もりから差し引いてもらえることもあります。買取査定も含め相談してみましょう。
  • 対応エリア: 業者ごとにサービス対応エリアが決まっています。ご自身が関東エリア(東京都・神奈川・千葉・埼玉など)にお住まいなら、その地域で実績のある業者を選ぶと安心です。遠方の業者だと出張費用がかさむ場合もあります。地域密着型の業者は土地勘があり、自治体ごとのゴミ処理事情にも詳しい傾向があります。例えば東京都内の業者なら23区のゴミ区分ルールを熟知していますし、千葉県の業者なら市町村の粗大ごみ事情にも通じているでしょう。対応エリア外の業者は基本受け付けてくれないので、候補に挙げる前に対応地域を確認してください。
  • 口コミ・評判: 前述しましたが、利用者からの口コミは非常に参考になります。業者名で検索すると、Googleマップのレビューや専門サイトの口コミが見つかることがあります。「スタッフが丁寧だった」「価格に見合うサービスだった」など具体的な感想があれば信用できます。反対に「約束の時間に来なかった」「追加料金を請求された」等の悪評が複数見られる業者は避けましょう。また、口コミが全く無い業者も不安要素です​。ある程度名前が知られている業者を選ぶと安心感があります。
  • サービス内容: 業者によって提供するサービスの幅も違います。基本的な遺品の仕分け・梱包・搬出・処分に加え、ハウスクリーニング消臭除菌遺品の供養代行形見の配送不動産業者の紹介など、付加サービスが充実しているところもあります。ご自身が何を求めるかで選びましょう。例えば「部屋の清掃までお願いしたい」「仏壇の供養もしてほしい」など希望がある場合、そのサービスに対応可能な業者を選定します。逆にシンプルに搬出処分だけで良いなら、その分料金が安い業者を選ぶのも手です。
  • 信頼性の証明: ホームページに所属団体や資格の記載があるか確認します。遺品整理士認定協会所属、○○警察署古物商許可、第○○号、産業廃棄物収集運搬許可番号○○など、公式な資格・許可番号が明記されていれば信頼度は高まります。またプライバシーマークを取得している業者もあります。個人情報を含む遺品を扱うため、プライバシー管理に配慮している証と言えます。さらにはスタッフ教育や研修について触れている会社も評価できます。「自社スタッフで対応(下請けに投げない)」と書かれていると一貫サービスで安心です。
  • 対応の柔軟さ: 問い合わせをした際の対応からも良し悪しが感じ取れます。問い合わせの電話やメールで、こちらの希望日時に柔軟に対応しようとしてくれるか、質問に丁寧に答えてくれるかなどを見ましょう。最初の印象が悪い(例えば事務的すぎる、問い合わせに対して面倒くさそうにする等)場合、契約後も不安が残ります。逆に丁寧で親身な対応であれば、安心して任せやすいでしょう。

以上のポイントを総合的に考慮して業者を選びます。料金だけで飛びつかず、サービス内容や信頼性も含めて総合評価することが大事です。特に初めて依頼する場合はわからないことも多いと思いますので、気になる点は遠慮せず各社に問い合わせてみましょう。その対応を比較することで見えてくることもあります。

電話対応

実際に依頼する際の流れ

信頼できそうな業者の目星がついたら、いよいよ実際に遺品整理を依頼する手順に進みます。一般的な依頼から作業完了までの流れは次のとおりです​。

  1. 問い合わせ・見積もり依頼: 候補の業者に電話やメールで問い合わせます。「◯◯市で◯DKの遺品整理を検討している。だいたいの物量は~」など概要を伝え、見積もりに来てもらう日時を決めます。複数社に依頼する場合、日程がかち合わないよう調整しましょう。良い業者であれば問い合わせ時の対応も丁寧で、見積もり訪問の日程もこちらの都合に極力合わせてくれるはずです。
  2. 現地調査と見積もり: 約束した日時に業者スタッフが現地(故人宅)に来訪し、遺品の量や部屋の状況を確認します。一緒に部屋を回りながら、「この家具は処分」「この貴重品は残す」など希望を伝えていきます。業者はそれを踏まえ、必要な作業人員トラック台数処分にかかる費用等を計算し、その場で見積もりを出してくれるでしょう。不明点があればここで質問し、追加料金の有無も確認します。また買取できそうな品があれば査定も行われ、見積もりに反映されます。提示された見積額に納得できれば、その業者に正式依頼する旨を伝えます。即決せず他社と比較検討する場合は「持ち帰って検討します」と伝えて構いません。
  3. 契約と日程調整: 依頼する業者を決めたら契約を結びます。契約書に作業内容・料金・日時等が明記されますので、内容をよく確認して署名捺印します。合わせて実際の作業日程を確定させます。遺品整理当日に立ち会う場合は自分の都合も踏まえて日程調整しましょう。遠方で立ち会えない場合は、鍵の受け渡し方法や報告方法を打ち合わせます。また、供養やハウスクリーニング等のオプション希望があればここで正式にお願いしておきます。
  4. 作業当日(遺品整理の実施): 約束の日時にスタッフが来訪し、遺品整理作業が開始されます。当日までに貴重品や重要書類は手元に確保しておき、スタッフに「これは残すもの」「これは処分して良いもの」とあらかじめ指示を出します。信頼できる業者であれば、各品目について確認をとりながら丁寧に仕分け・梱包を進めてくれます。依頼者は立ち会っていても構いませんし、一緒に仕分け作業を行うこともできます。作業中、万一「やっぱりこれは取っておきたい」と思う品が出たら遠慮なく伝えましょう。スタッフとコミュニケーションをとりながら進めることが大切です。近隣への配慮も忘れず、作業前にご近所へ一声挨拶しておくと良いでしょう。
  5. 作業完了・最終確認: 家の中の遺品搬出・清掃がすべて完了したら、スタッフと一緒に仕上がりを確認します​。空き家の状態になっていることを確認し、残すものが誤って処分されていないか念のためチェックします。問題がなければ作業完了です。
  6. 支払い: 約束した料金を支払います。支払い方法は業者によって異なりますが、現金払い・銀行振込・クレジットカードなど対応している場合があります。多くは作業完了時に現金支払い後日振込です​。領収書を必ず受け取り、金額・日付・但し書きを確認しましょう。もし追加料金が発生した場合は、その内訳について納得できる説明を受けてから支払います。

以上が一連の流れになります。依頼から支払いまで滞りなく終われば、遺品整理は完了です。

遺品整理をする作業員

アドバイス: 複数の業者に見積もりを依頼した場合、最終的に断る業者には早めにその旨を連絡しましょう。見積もりをしてもらったからといって必ず頼まなければいけないわけではありませんが、キャンセルの連絡はマナーです。また、良い業者であれば作業完了後に「何かお気づきの点はありますか?」などフォローがあることも。問題なければ「ありがとうございました」と感謝を伝え、可能であれば口コミサイト等に体験談を残してあげると、今後同じように業者選びで悩む方の助けにもなるでしょう。

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