エレベーターリニューアル工事の保証期間: 独立系ならではの特徴

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エレベーター改修後の保証期間は、管理会社にとって気になるポイントの一つです。工事後に不具合が発生した場合、どこまで施工業者が無償対応してくれるのか、期間はどれくらいあるのかを把握しておきましょう。

一般的な保証期間とメーカー・独立系の違い

通常、エレベーターの新設工事やリニューアル工事には引き渡し後1年間の保証が付くのが一般的です。新築の建物では竣工後3ヶ月間は無償保守期間があり、その後有償の保守契約に移行するケースが一般的ですが、リニューアル工事でも基本的な考え方は同様で、施工後約1年間は施工業者が不具合対応を無償で行います。

メーカー系・独立系いずれの業者であっても、この標準的な保証期間に大きな差はありません。ただし独立系の中には、他社との差別化や自社施工への自信の表れとしてより長い保証期間を設定している会社も存在します。例えば、ある独立系専業会社(エレベーター・デポ東京)は業界最長の5年間保証をリニューアル後に提供しています。さらに別の老舗独立系企業では、保守契約と組み合わせることで最長20年の長期保証プランを用意している例もあります。通常は1~2年程度が一般的な保証期間とされる中で、異例の長期保証を実現しているのは独立系ならではと言えるでしょう。

長期保証には条件が付く場合もあります。多くはその企業との保守契約継続が前提ですが、長期にわたる保証が受けられることは建物オーナー・管理組合にとって大きな安心材料です。

保証内容と注意すべき点

保証期間中にエレベーターに不具合が発生した場合、基本的には施工業者が無償で修理対応します。しかし保証の範囲条件は契約書に定められており、以下のようなケースは保証対象外となることがあります。

  • 建物側の保守管理が不十分で正しい取り扱いが行われていなかった場合
  • ユーザー側で改造や構造変更を行った場合
  • ユーザー指定の部品が原因で故障が発生した場合 …など

保証期間内でも、もし施工会社とは別の保守会社と契約している状況で不具合が起きると、責任の所在が不明確になりトラブルに発展する恐れがあります。実際に、メーカー系が施工したリニューアル後に保守を独立系に切り替えたところ、些細な不具合でも互いに責任を押し付け合い対応が滞ったケースも報告されています。

そのため、リニューアル工事後のエレベーターについては可能な限り施工を担当した会社が引き続き保守も担うことが望ましいとされています。新設時と異なりリニューアル後は必ずしもメーカー系保守に戻す必要はなく、むしろ施工した独立系にそのまま任せた方がスムーズです。適切な独立系企業を選び契約を続ければ、安全性に問題なくコスト面でもメリットを享受し続けられるでしょう。

注意すべき点

管理会社として確認すべきポイント

保証期間を巡るトラブルを防ぐため、管理会社・管理組合が事前に確認・取り決めしておくべき事項を整理します。

保証期間の長さ

1年なのか2年なのか、あるいは5年など独自延長があるか確認します。長ければ良いというものでもありませんが、長期保証を謳う会社はそれだけ自社の施工品質に自信がある裏返しでもあります。

保証範囲と免責事項

どこまでが無償修理の範囲か、免責となる条件(利用方法の瑕疵など)は何かを契約書でチェックします。

保守契約との関係

保証期間中および終了後の保守を誰が行うかを決めておきます。少なくとも保証期間中は施工会社が保守も担うのが理想です。保証延長には保守契約継続が条件となっている場合も多いため、その点も確認しましょう。

不具合発生時の対応

万一トラブルが起きた際の連絡窓口や初動対応について、施工会社と打ち合わせておきます。24時間対応の有無、緊急時に何分以内で駆けつけ可能か、といった体制も含め確認が必要です。

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