リニューアル仕様書(RFP)に盛り込むべきBCP・災害対応要件の作り方

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エレベーターリニューアルを成功させ、安全性・BCP対応力を高めるには、発注時の仕様書(RFP)作成が肝要です。特に独立系エレベーター企業へ提案依頼する際は、こちらの要求事項を明確に伝えることで、各社から質の高い安全対策提案を引き出し、比較検討もしやすくなります。ここでは、リニューアル仕様書に盛り込むべきBCP・災害対応要件と、その書き方のポイントを解説します。

BCP・災害対応要件を明示する重要性

独立系企業は提案の自由度が高く、要件が曖昧だと各社で異なるプランが出て比較が難しくなります。そのため、地震・停電対策などBCP関連の要件は仕様書に明確に盛り込みましょう。「リニューアル後は必ず○○機能を備えること」「△△装置の有無によって見積もり比較する」など事前に条件を統一しておけば、どの会社も同じ前提で提案でき、公平な評価が可能となります。RFP段階での要件定義が、災害対応力強化の成否を左右すると言っても過言ではありません。

BCP・災害対応要件を明示する重要性

仕様書に盛り込むべき具体項目

エレベーターリニューアルの仕様書には、一般項目に加えてBCP・災害対応に直結する要件を盛り込んでおきます。代表的な項目と記載ポイントは以下の通りです。

プロジェクト概要

リニューアルの背景や目的を記載します。特に「災害時の安全性向上」「BCP強化のため」など、本プロジェクトで重視する狙いを明示しましょう。例:「築○年で老朽化したエレベーターの安全性確保・省エネ化のため。東日本大震災を踏まえ非常時対応力の向上も図りたい。」と書けば、提案側もBCPを意識したプランを提案しやすくなります。

現況エレベーター仕様

現在のエレベーターのスペックと不足している防災機能を整理します。例:「1995年設置、定員9名、ロープ式、リレー制御、地震感知装置なし、非常用バッテリーなし」といった情報を盛り込むことで、各社とも適切な対策提案が可能になります。

工事範囲と要望

どの部分をリニューアルし、何を導入・強化したいか具体的に示します。例:「制御盤・巻上機の交換、乗場インジケーターと押しボタンの更新、かご内内装は可能なら更新(任意)、戸閉保護装置を新規設置(必須)」等です。必須要件と任意要件を明確に分けることがポイントで、例えば耐震補強(地震時管制運転装置の追加)や遠隔監視装置導入など予算次第の項目は任意扱いとして記載します。これにより、各社とも共通の必須条件を満たしつつ、任意項目について自社ならではのオプション提案がしやすくなります。

性能・品質要件

リニューアル後に達成したい安全性能や基準を定めます。例:「最新の安全基準(UCMPと停電時自動着床装置)に適合させること」「耐震性能を2009年基準相当まで向上させること」「非常時は予備電源で最低1往復動作できること」などです。あわせて「停止時の段差○mm以内」「待機時消費電力○%削減」等を盛り込めば、基本性能や省エネ面も網羅できます。また「工事後最低○年間は重大故障ゼロを期待」等、信頼性に関する要望も記載可能です。

工期・停止条件

工事の実施時期やエレベーター停止期間に関する条件です。BCPの観点から停止期間の短縮は重要なため、「エレベーター連続停止は最大○日まで、それ以上は夜間作業で対応」といった条件を提示しましょう。例:「連続停止7日以内、残り工程は夜間・休日作業を組み合わせ利用者への影響を最小化すること」。このように要望すれば、独立系各社も短工期での施工方法を積極提案してくれます。また「〇年〇月の大型修繕に合わせて実施希望」等、時期の指定も記載します。

アフターサービス要件

工事後の保証期間や保守体制についての希望です。特にBCP強化のためには24時間緊急対応や遠隔監視の有無が重要なので、「24時間対応の保守契約を希望」「遠隔監視サービス導入もオプション提案してほしい」と明記しましょう。また例として「無償保証は最低2年」と書けば、提案各社の保証年数を比較する材料にもなります。

以上の項目を漏れなく記載し、エレベーターリニューアル仕様書を作成します。ポイントは簡潔かつ網羅的にまとめることで、チェックリスト形式で書き出したり図面・写真を添付したりして、提案者の理解を助ける工夫も有効です。

仕様書を活用した適切な業者選定

完成した仕様書/RFPは、発注者の要件を反映した共通ルールとなります。この共通仕様に基づき各社から提案を受けることで、価格・内容の公平な比較が可能となります。実際に見積もりが出揃ったら、比較表を作成して以下の観点で業者を評価しましょう。

  • 価格: 総額だけでなく、安全装置や保守費用など項目ごとの金額差を確認します。仕様書で必須としたBCP要件を満たすための費用を各社がどう見積もっているか注目しましょう。
  • 提案内容: 提案書に必須要件がすべて盛り込まれているか確認します。任意要件については、各社が提案する地震対策や省エネオプションの有用性を比較し、自社にメリットが大きい提案を評価します。
  • 工期・工程: 提示された停止期間や施工体制も比較ポイントです。より短い停止期間や夜間作業対応など、入居者配慮の姿勢が見られる会社を高く評価すると良いでしょう。
  • 保証・アフター: 各社の保証期間の長さや、工事後の保守条件を比較します。例えば「当社は標準で2年保証」「当社はオプションで5年延長保証可」など差があれば考慮に入れます。また24時間対応可否、保守拠点の距離なども比較ポイントです。

このように、仕様書で定めたBCP・災害対応要件を軸に比較検討すれば、非常時に強いエレベーターリニューアルを実現できる最適な業者を選定しやすくなります。仕様書作成に手間はかかりますが、独立系各社の創意工夫を引き出しつつ、後悔のない発注をするための重要なプロセスです。

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