エレベーターリニューアルに使える補助金は?自治体の支援制度を徹底解説

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エレベーターのリニューアル工事には高額な費用がつきものですが、国や自治体の補助金・助成金制度を活用できる場合があります。特に近年はマンションの耐震・防災対策やバリアフリー化を促進する目的で、各自治体がエレベーター改修への支援制度を設けているケースが増えています。本記事では、エレベーターリニューアルに使える代表的な補助金の種類や内容、申請時のポイントについて解説します。マンション管理組合や物件オーナーの方は、予算計画の一助としてぜひ参考にしてください。

エレベーターリニューアル費用と補助金の必要性

マンションやビルでエレベーターを更新・改修する際、その工事費用は数百万円から数千万円に及びます。例えば老朽化したエレベーター1基をフルリニューアル(全交換)する場合、1,200~1,500万円程度と高額になるのが一般的です。部分的な改修でも数百万円規模の出費は避けられず、管理組合の修繕積立金だけでは賄いきれないケースも多いでしょう。こうした負担を軽減するため、利用可能な補助金を積極的に活用することが望まれます。

補助金を使えば、工事費用の一部(場合によっては1/3〜1/2程度)を公的資金でカバーできるため、区分所有者の臨時負担金や借入金を抑えられます。例えば東京都や大阪市などの都市部では、老朽マンションの安全性向上を目的にエレベーター設備の改修支援制度が整備されています。補助金の有無で各戸の負担額が大きく変わるため、早めに情報収集し申請準備を進めることが賢明です。

主な自治体のエレベーター改修補助金の例

自治体ごとに補助制度の内容は異なりますが、ここでは代表的な事例をいくつか紹介します。お住まいの地域でも類似の制度がないか確認してみましょう。

  • 大阪市「エレベーター防災対策改修補助事業」(大阪市限定)
    概要: 大阪市内の共同住宅に設置されたエレベーターの防災対策工事費用の一部を補助。市民の安全確保のため、地震や災害時にエレベーターを安全に利用できるよう改修を促進する目的があります。
    補助率・上限額: 工事対象経費の23%を補助、上限は1台につき218万5千円(税込相当額を除く)。例えば500万円の工事なら約115万円の補助が受けられます。
    対象者: 市内の分譲マンション管理組合または所有者で、防災対策装置の設置工事を行う場合(※申請時に市税滞納等がないことが条件)。
    申請期間: 毎年度設定(令和5年度は4月上旬~12月20日まで)。事前協議ののち補助申請し、交付決定を受けてから契約・工事着手という流れです。
  • 東京都千代田区「マンション安全・安心整備助成」(千代田区限定)
    概要: 区内マンションの共用部安全性向上工事に対する助成制度。手すり設置や段差解消などに加え、エレベーターの「戸開走行保護装置」や「停電時自動着床装置」の設置を含む改修工事費用の一部が助成対象となります。災害時のエレベーター安全性向上を図る目的があります。
    助成内容: 工事費用の1/3補助(上限額あり)が基本です。具体的な上限額は工事内容によって異なり、例として戸開走行保護装置や停電時着床装置の新設には1基あたり50万円を上限に助成。非常用電源設備の導入には1棟あたり100万円を上限とするなどの細かな設定があります。
    対象者: 区内の分譲マンション管理組合等で、既存エレベーターに前述の安全装置を新設する工事が条件。エレベーターそのものの新設や増設工事は対象外です。
  • 千葉県浦安市「分譲集合住宅エレベーター防災対策整備費補助金」(浦安市限定)
    概要: 浦安市内の分譲マンションを対象に、エレベーターの防災対策装置を設置する工事費用の一部を補助する制度です。
    助成内容: 工事費の3分の1以内(千円未満切捨て)が基本補助額。さらに個別装置ごとに上限が設定されており、P波感知型の地震時管制運転装置停電時自動着床装置1基あたり各50万円まで、非常用電源装置は1棟あたり100万円までが補助限度額となっています。
    備考: 補助対象となる工事は既設エレベーターへの防災対策機器の新設に限られます(エレベーターの新規設置・増設は除外)。このように自治体により補助金の範囲や条件は細かく定められているので、詳細は自治体の資料で要確認です。

上記の他にも、東京都新宿区の「エレベーター防災対策改修支援事業」や、港区の「エレベーター安全装置等設置助成」など、各自治体ごとに独自の名称・内容で補助制度が存在します。補助率は経費の1/3もしくは1/2程度、上限額は数百万円といったケースが多く見られます。お住まいの地域でも類似制度があるか、自治体ホームページや窓口に問い合わせて確認しましょう。

主な自治体のエレベーター改修補助金の例

補助金申請のポイントと注意点

補助金を確実に受け取るには、申請手続きの流れや条件を正しく理解して臨む必要があります。以下に一般的な留意点をまとめます。

  • 最新情報の確認: 補助制度は年度ごとに内容変更や募集期間の設定があります。必ず最新年度の要項を自治体HPで確認しましょう。前年は実施されていたが今年度は休止、という場合もあり得ます。
  • 事前協議の実施: 多くの自治体では工事契約前に行政との事前協議や交付申請が求められます。これを怠ると補助対象外になるため、計画段階で必ず所定の手続きを踏みましょう。
  • 必要書類の準備: 申請には交付申請書や工事見積書、マンション管理組合の議事録(工事実施決議の証拠)など複数の書類が必要です。時間に余裕を持って書類を収集・作成してください。
  • スケジュール管理: 補助金は予算枠や受付期間が限定されています。人気のある制度だと早期に受付終了する場合も。工事計画が固まったら速やかに申請準備に取り掛かり、期限内に提出できるよう逆算してスケジュールを組みましょう。
  • 施工業者との連携: 信頼できるエレベーター業者であれば、過去の経験から適用可能な補助金の助言や申請手続きのサポートをしてくれる場合があります。業者選定時に補助制度への対応実績が豊富かどうかも一つの判断材料になるでしょう。

また、補助金によっては交付決定通知を受けてから契約・着工することが条件になっているものがあります。焦って先に工事契約を結ばないよう注意が必要です。補助金が正式に交付されるまでの一連の流れ(申請→審査→交付決定→工事→実績報告→補助金支払い)を把握し、計画に織り込んでおきましょう。

補助金活用以外で費用を抑える方法

補助金は大きな助けになりますが、必ずしも全額を賄えるわけではない点に留意が必要です。自己負担分を少しでも減らすため、以下の工夫も検討しましょう。

  • 複数業者からの見積徴収: 工事費の相場を掴み、安価で信頼できる業者を選定すること自体がコスト削減に直結します。他の記事でも解説したとおり、独立系エレベーター会社から相見積もりを取ることで、数百万円規模の費用圧縮が可能なケースもあります。補助金と併用して費用負担をさらに抑えましょう。
  • 工事内容の精査: 本当に必要な改修項目と優先度を見極め、段階的な実施も検討します。例えば今期は制御盤更新のみ行い、内装リニューアルは次回大規模修繕時に行う、といった計画も一案です。ただし安全装置の後付けなどは優先的に実施した方が良いケースもあります。
  • 長期計画による準備: エレベーター更新時期が事前に分かっているなら、毎年コツコツ積立を増額する、または金融機関からの借入等も視野に入れましょう。早めに計画を立てておけば補助金がもし得られなくても慌てずに対応できます。

補助金・助成金は居住者に直接メリットが伝わりにくい工事にも光を当てる貴重な支援策です。マンションの資産価値維持や防災力向上のためにも、使える制度は漏れなく活用したいところです。管理組合の合意形成や手続きには手間もかかりますが、専門家や施工業者の力も借りながら計画的に進めていきましょう。

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