【工期・停止対策編】独立系で実現する“止めないリニューアル”設計

エレベーター工事の工期と停止期間の現状
エレベーターのリニューアル工事では、工事期間中そのエレベーターを停止せざるを得ないのが通常です。特に1棟1基しかエレベーターが無い建物では、停止期間中に住民は階段を利用するしかなく、高層階に住む高齢者や車椅子利用者にとって大きな負担となります。そのため、工期(停止期間)の短縮は管理会社にとっても入居者への影響を最小限にする重要課題です。
一般的なエレベーター部分リニューアル(制御リニューアル)の場合、1基あたり5~10日程度の連続停止が標準的な目安です。主要機器である制御盤と巻上機を交換する作業にこれだけの日数を要しますが、経験豊富な業者であれば4~5日間程度に短縮できた事例もあります。一方、巻上機やかご内装まで含めた大規模リニューアルでは数週間から1~2ヶ月程度の停止が発生することもあります。つまり工事範囲が広がるほど停止期間も長期化する傾向にあります。
建物にエレベーターが2基以上ある場合は交互に工事を実施し、一方を停止中でももう一方は運転を継続させることで影響を軽減できます。しかし1基しか無い建物では、工事期間中は全フロアで階段移動を強いることになるため、特に5階以上の建物ではできるだけ短期間で工事を終える計画が求められます。実際、築30年前後のマンションでは高齢入居者も多く、停止期間がわずか1日縮まるだけでも生活上のメリットは大きいものです。
現状の標準的な停止期間は上述の通りですが、近年ではメーカー各社も停止期間ゼロ日を目指した新工法の開発に取り組んでいます。例えば大手メーカーでは、作業時間帯以外はエレベーターを利用可能とするハイブリッド施工を導入し、従来約1週間必要だった連続停止期間を最短0日にまで短縮する技術も登場しています。このような最新技術は主に自社製エレベーター向けですが、「止めないリニューアル」へのニーズが高まっていることを示す動向と言えます。
独立系ならではの短工期ソリューション
メーカー系では標準化された工法で平日日中に工事を行うケースが多いのに対し、独立系の会社は現場事情に応じた柔軟な施工スケジュールを提案してくれることが多々あります。独立系各社は以下のような工夫によって、工期短縮と入居者負担の軽減に努めています。
- 夜間作業の活用: 日中はエレベーターを通常稼働させ、深夜から早朝にかけて集中的に工事を進めることで、終日停止日数を減らす取り組みです。騒音を伴う作業は昼間に行い、配線接続など静かな作業を夜間に実施するといった調整で、生活への影響と工事効率のバランスを取ります。これにより連続停止期間を短縮しつつ、昼間の利便性も確保します。
- 週末・祝日の工事: 建物の利用状況にもよりますが、土日祝日に作業することで平日稼働への影響を抑えることも可能です。独立系なら契約内容次第で追加費用を抑えつつ休日工事に対応してくれる場合もあります。オフィスビルなど平日昼の稼働が重要な現場では、週末集中工事で停止を感じさせない工夫も有効でしょう。
- 効率的な人員配置: 経験豊富な技術者を現場に集中的に投入し短期間で一気に仕上げる体制を取ることがあります。独立系は比較的小規模案件にも柔軟にエキスパートを割り当てやすく、少数精鋭で迅速に工事を完了する利点があります。
- 最新工法・機材の導入: 独立系各社は様々なメーカー機種に対応する必要があるため、自社工夫で専用治具や簡易クレーン等の効率化機材を開発・導入しています。例えば部品搬入出に独自の吊り治具を用いて人力作業を減らしたり、狭い機械室でも作業しやすい専用工具を使うなどで、作業時間の短縮を図っています。こうした工夫により工事スケジュールの融通が利きやすく、結果として停止期間の短縮に繋がるのです。
以上の取り組みにより、独立系に依頼した場合は工事計画の自由度が高く、入居者の生活に配慮したオーダーメイドの工程が組めます。その一例として、独立系最大手の一つであるSECエレベーターは全国150拠点以上のネットワークと豊富な人材を活かし、緊急対応だけでなく工事対応においても迅速な体制を整えています。同社では停止期間1日という超短期更新プランまで提供しており、業界トップクラスの短工期実績を打ち出しています。
管理会社・管理組合が取るべき停止対策
工事期間の短縮は施工業者の腕に委ねる部分もありますが、管理会社側でも事前準備や調整を行うことで結果的に工期短縮に寄与できます。以下は管理側で実践したい対策です。
- 事前準備の徹底: 工事に必要なスペース(機械室内や廊下)の片付け、近隣への工事告知、道路使用許可の申請などは早めに準備しておきます。これにより当日の作業開始が滞りなく行え、余計なロス時間を防げます。
- 住民への周知と協力依頼: エレベーター停止期間と工事内容を事前に掲示板や回覧板で周知し、入居者の理解と協力を求めます。例えば停止期間中は不要不急の乗降を控えるようお願いしたり、作業音への理解を促すことで、作業がスムーズに進む環境を整えます。
- 予備日・予備週の確保: 可能な範囲で、万一の工事遅延に備えた予備日程をスケジュールに組み込んでおきます。ギリギリの工程ではなく余裕を持った計画を独立系業者と調整することで、結果的に無理のない施工が可能となり、安全かつ着実な進行につながります。
これらの管理側対策によって「止めないリニューアル」に一歩近づけるでしょう。特に入居者との信頼関係づくりは重要です。事前の説明会開催や質疑応答の場を設け、懸念点を解消しておくと、工事期間中のクレーム減少にもつながります。

まとめ:独立系の柔軟施工で入居者負担を最小化
エレベーターリニューアルにおける停止期間の短縮は、入居者満足度向上と管理会社の信頼確保の観点から極めて重要です。独立系エレベーター会社の柔軟な工事対応を活用することで、夜間作業や人員集中投入など多彩な方法で工期短縮が図れます。メーカー系では難しい現場ごとの調整も、独立系なら比較的容易に実現できます。
「止めないリニューアル」は完全に停止日ゼロとまではいかなくとも、停止期間をいかに短く・感じさせなくするかがポイントです。独立系各社の工夫と管理会社側の周到な準備・周知により、入居者への影響を最小限に抑えたリニューアルを実現しましょう。













