足立区の解体業者における施工体制

閲覧数:109

1. 調査概要

  • 調査目的
    足立区に拠点を持つ解体業者のホームページを参考に、「自社施工」「外注(下請)」「両方併用」のいずれに当てはまるかを確認するとともに、HP上でどのような表現・アピールをしているかを整理する。
  • 調査方法
    • 「足立区 解体業者」「足立区 解体工事 会社」などのキーワードで検索し、企業名・公式サイトを確認。
    • それぞれの公式HP内において、施工体制を示す文言(例:自社施工、完全自社施工、協力会社、下請け など)を探し、該当部分の文言やニュアンスを読み取る。
  • 調査期間・注意点
    • 調査期間:2023年〜2025年頃までに確認した公開情報
    • 各企業サイトのリニューアルや経営方針の変更により、最新の情報とは異なる場合がある。必ず公式HPや直接問い合わせで再確認すること。

2. 企業別の調査結果

以下に、足立区に本社または事業所を置き、実際に解体工事を行っていると確認できた業者のうち、HPである程度施工体制の記載が確認できた5社をピックアップしました。表では「自社施工の明記」「外注や協力会社の明記」「表現例」をまとめています。


2-1. 小山解体工業株式会社

  • 会社名:小山解体工業株式会社
  • 所在地:〒120-0004 東京都足立区東綾瀬1-2-3
  • 公式HPhttps://koyama-kaitai.jp/

HP上の施工体制に関する記載の概要

  1. 自社施工の明記
    • トップページや「小山解体工業の強み」の中に、「経験豊富なスタッフによる解体」「自社で一貫して責任施工」といった文言が確認できる。
    • 「自社所有の重機」「自社スタッフの技術力」をアピールしており、基本的には自社施工をベースとしている印象を受ける。
  2. 外注・協力会社の記載
    • 「協力会社」「外注」という直接的な表現はHP上ではあまり見られず、ほぼ自社施工を強調している。
    • 特殊工事や大規模案件で協力会社を使う可能性は否定できないが、HP上では「基本はすべて自社対応」の色合いが強い。
  3. 主な表現例
    • 「解体から廃材処理まで一貫して自社で行い、コスト削減とスピード対応を実現」
    • 「熟練の職人と専属スタッフが責任を持って施工します」

総評

  • 「ほぼ自社施工」と明言するタイプ
  • 職人や重機の保有数などを強みにしている会社。
  • 大がかりな工事でも自社で完結できることを特徴としている。

2-2. 株式会社ワイゼクト

  • 会社名:株式会社ワイゼクト
  • 所在地:〒121-0057 東京都足立区神明南1-4-6
  • 公式HPhttps://y-ject.com/

HP上の施工体制に関する記載の概要

  1. 自社施工の明記
    • トップページ等に「全て自社施工で安心安全」とのキャッチフレーズがあり、自社施工を前面にアピールしている。
    • 「完全自社施工」「解体工事から産廃処理までワンストップ」との文言も確認できる。
  2. 外注・協力会社の記載
    • 「外注」「下請け」といった明記は特に見当たらない。
    • 業務範囲の広さを謳っているため、大規模案件などで協力会社が介在する可能性はあるが、HPでは基本的に「自社一括対応」のスタンスを押し出している。
  3. 主な表現例
    • 「家屋解体、内装解体、外構解体など幅広く自社でカバー」
    • 「自社管理だからこその柔軟な日程調整とコスト削減」

総評

  • 「完全自社施工」を強調するタイプ
  • 対応エリアや実績数の多さも紹介しており、一括対応・コスト削減を訴求している。

2-3. 株式会社クリアシスト

  • 会社名:株式会社クリアシスト
  • 所在地:〒121-0831 東京都足立区舎人1-7-2
  • 公式HPhttps://clearassist.co.jp/

HP上の施工体制に関する記載の概要

  1. 自社施工の明記
    • 「自社職人が解体を担当」「自社管理」といった文言は散見される。
    • 一方で、特定の工事(アスベスト関連・土木工事など)については**「専門業者とも連携」**すると記載。
  2. 外注・協力会社の記載
    • 「協力会社」「提携業者とタッグを組んで対応するケースがある」との説明が一部にある。
    • 解体後のリフォームや造成工事など、解体の周辺業務については外部の施工会社と提携することをHP上で明示している。
  3. 主な表現例
    • 「主要な解体作業は当社スタッフで対応します」
    • 「アスベスト除去や大規模土木などは資格・許認可のある協力会社と連携し、安全第一で進めます」

総評

  • 「自社施工+一部外注(協力会社連携)」というハイブリッド型
  • 解体の中でも特殊性の高い作業や、大規模案件における一部工程を外注している。
  • HP上でも、「無理に自社だけで完結せず、専門分野は信頼できる業者を活用する」と説明されている。

2-4. 株式会社大雄(DAIYU)

  • 会社名:株式会社大雄
  • 所在地:〒121-0063 東京都足立区東保木間2-3-14
  • 公式HPhttps://daiyu-group.jp/

HP上の施工体制に関する記載の概要

  1. 自社施工の明記
    • 「自社対応」や「自社スタッフ」を打ち出している一方、明確に「すべて自社」とは記載していない。
    • 施工フロー紹介のページなどでは「大雄グループとして一貫施工可能」と説明。グループ会社を含めて対応している旨がうかがえる。
  2. 外注・協力会社の記載
    • グループ会社間での分業を強調している印象がある。厳密には「外注」ではなく、グループ内の別事業部や関連会社で対応する形が多いと記載されている。
    • ただし大規模の特殊案件などでは、他社と連携している可能性は否定されていない。
  3. 主な表現例
    • 「大雄グループ内の各種専門部隊が連携し、解体からリサイクル、建設まで幅広くカバー」
    • 「多角経営によるメリットで、コスト・スケジュール面の柔軟性を実現」

総評

  • 「グループ内連携」でほぼ自社完結に近い体制を敷いているタイプ
  • 純粋な“他社外注”よりは“グループ会社”として内製化しているケースが多い模様。
  • HPでは下請け等の具体的な表現はあまり出てこないが、すべてワンストップで対応可能という姿勢を示している。

2-5. 株式会社アールエスクラフト(RS Craft)

  • 会社名:アールエスクラフト株式会社
  • 所在地:〒121-0832 東京都足立区古千谷本町1-10-33
  • 公式HPhttps://rscraft.co.jp/

HP上の施工体制に関する記載の概要

  1. 自社施工の明記
    • 内装解体工事の分野を中心に、「内装解体〜産廃処理まで自社対応」を謳っている。
    • ただし、建物全体の解体(木造・RC造など)に関しては、サイト上では「協力会社とチームを組み対応可能」との記述がある。
  2. 外注・協力会社の記載
    • 大規模工事や重機が必要な解体案件では、「協力会社と連携して安全・確実に行う」と説明されている。
    • 内装解体に特化している一方、総合解体においては外部パートナーと組む形がある程度想定される。
  3. 主な表現例
    • 「飲食店やオフィスの内装解体を自社チームでスピーディーに対応」
    • 「大型店舗や複雑な解体案件は、業務提携先と共に安心安全な施工をお約束します」

総評

  • 「専門分野(内装解体)は自社施工」、それ以外は外部協力を組み合わせるスタイル
  • HPでも明示的に「内装解体のプロ」として打ち出しており、外注(協力会社)の活用を前提とした案件もあることを示している。

3. まとめと考察

  1. 「完全自社施工」を全面に掲げる業者
    • 小山解体工業、ワイゼクトのように、HP上で「当社スタッフのみ」「完全自社施工」を強くアピールしている会社は、スピード対応・コスト削減・職人技術の高さなどを前面に押し出している。
    • 特殊工事については別途協力がある可能性はあるが、基本的には「解体工程のほぼ全てを自社で行う」姿勢を明確にしている。
  2. 「グループ連携や協力会社」も含めつつ実質内製に近い会社
    • 大雄(DAIYU)のように、グループ内で分業化・専門化しているケースもある。
    • HPには「外注」「下請け」とは書かず、グループ全体として施工を完結させる表現を使うことが多い。
  3. 「一部自社施工+必要に応じて外注」のハイブリッド型
    • クリアシスト、アールエスクラフトのように、主業務は自社スタッフで行いつつ、専門領域(アスベストや大規模工事など)で協力会社を活用する形が多い。
    • HPでも「専門分野の協力会社との連携」を明示するケースが見られ、そこを**“強み”**として訴求することもある。

4. 施工体制の表現例と傾向

  • 自社施工を大きく打ち出す表現
    • 「完全自社施工」「職人は全員正社員」「責任一貫施工」
    • 「下請け・外注がないため、コスト面でもご安心を」
  • 協力会社・外注の活用を示す表現
    • 「長年付き合いのある専門業者とチームを組んで施工」
    • 「規模や工法に応じて最適なパートナーと連携」
    • 「グループ内に複数の専門部門を持ち、ワンストップ対応」
  • 一部のみ自社、それ以外は提携をアピールする表現
    • 「主要な解体は自社スタッフ、特殊工事は専門業者に依頼」
    • 「安全と品質を最重視し、信頼できる協力会社とともに万全の体制」

5. 今後の展望・留意点

  1. 透明性への期待
    • 建設業界全体で、発注者に対する情報開示や施工体制の透明化が求められている。
    • 解体工事は建設リサイクル法なども絡むため、**「どの業者がどの工程を担当するのか」**がより明確に示される傾向が強まる可能性がある。
  2. 専門工事の需要と外注活用
    • アスベスト除去やRC造・鉄骨造の大規模解体など、専門技術や資格が必要な工事は外注・協力会社を活用するケースが今後も増えると考えられる。
    • その際、HP上での表記は「協力会社」や「提携パートナー」という柔らかな表現が好まれるようだ。
  3. グループ経営による実質内製化
    • 大手・中堅を中心に、解体工事から建築・廃材リサイクルまでを一括管理する“グループ企業”が増えている。
    • ユーザーから見ると下請け・外注に見えても、企業としては自社グループ内の別会社で完結しているケースもあるため、HPでの記載と実態に差が生じやすい。依頼時には詳細を確認するとよい。

結論・所感

足立区内の解体業者をHPレベルで比較すると、「完全自社施工」を大きく打ち出す会社と、**「グループ連携や協力会社を活用する会社」**とに大きく分けられる。さらに、本業を内装解体・木造解体などに特化し、それ以外の分野は外部と提携している“ハイブリッド型”も存在する。

  • 完全自社施工アピール:
    • メリット:対応スピード・コスト削減・職人との直接コミュニケーション
    • デメリット:専門分野が必要な場合に対応が難しいケースもある
  • 外注・協力会社との連携が多いアピール:
    • メリット:幅広い工事や高度な専門作業もカバーしやすい
    • デメリット:スケジュール調整や中間マージンが発生する可能性
  • 一部だけ外注(ハイブリッド)
    • 両者のメリットを兼ねつつ、特定の工程や作業だけ専門業者を起用することで品質向上やコスト調整をしている

発注者目線では、依頼検討時に「どの範囲までが自社施工なのか?」「外注の場合、どの業者が入るのか?」を確認することが重要となる。HPに記載されていない場合でも、問い合わせ時に直接尋ねると、より正確な施工体制を理解できるだろう。


付録:チェックすべきポイント

  1. 自社施工の範囲
    • 木造家屋のみなのか、RC・S造(鉄骨造)もやるのか
    • リフォーム・内装解体なども可能か
  2. 外注・協力会社の有無と内容
    • アスベスト除去や廃棄物処理の一部など専門分野は別会社か
    • 大規模案件では重機オペレーションも含めて外注するのか
  3. 費用・スケジュールへの影響
    • 外注先が増えるほど中間マージンや工程管理が複雑になるケースがある
    • 自社完結の場合は対応が早いが、専門分野が弱いと工期が長引く可能性もある
  4. 保証やアフターフォロー
    • 自社施工なら一括保証が明確か
    • 協力会社施工の場合、保証の範囲がどこまで及ぶか

最終まとめ

足立区における解体業者のホームページを実際に見比べると、「完全自社施工」「一部自社施工・一部外注」「グループ連携」という3つのスタイルが見られました。HPにはっきり書いていなくとも、部分的に専門業者へ外注しているケースは珍しくありません。その場合、HP上では「協力会社」「提携先」との言い回しが使われがちです。

施主や元請けとしては、施工クオリティや費用、スケジュール面をしっかり確認するためにも、“実際にどこがどんな工程を担当するのか”を事前に聞いておくことが肝要です。本レポートが、足立区で解体業者を探すうえでのご参考となれば幸いです。

関連記事

解体工事業者【足立区】ランキング!信頼性や実績を持つ業者は?