独立系保守会社との連携によるリニューアル後の24時間対応体制構築法

エレベーターをリニューアルして安全機能を強化した後は、24時間対応の保守体制を構築することが次の課題となります。いざという時に迅速な救出・復旧が行えるよう、独立系エレベーター保守会社と連携して万全のサポート網を整備しましょう。本記事では、リニューアル後のエレベーターに対し24時間365日対応可能な体制を作るポイントを紹介します。
24時間対応の重要性と独立系保守会社の強み
災害や故障は深夜・休日を問わず発生する可能性があります。エレベーター内に人が閉じ込められるトラブルでは、一刻も早い救出が求められます。そのため、24時間365日対応の保守サービスはBCP上不可欠です。独立系エレベーター保守会社の多くは、自社で24時間稼働のコールセンターや緊急対応チームを備えており、年中無休の即応体制を構築しています。
具体的には、利用者からの非常通報や遠隔監視システムの異常検知を24時間体制の監視センターで受信し、待機中の技術者に即座に出動指令が伝達されます。独立系大手の中には「原則30~60分以内に現地到着」という目標を掲げている会社もあり、深夜でも迅速に技術者が駆け付けます。また全国展開の独立系であれば広域に支社・営業所を配置し、地域密着の小回りと全国ネットワークの広範囲カバーを両立しています。実際、ジャパンエレベーターサービス(JES)のような大手独立系は全国約300社ある独立系業者の中でも最大級のサービス網を持ち、メーカー系保守会社に劣らない品質で24時間対応を実現しています。
独立系保守会社と契約する大きなメリットは、コストパフォーマンスと柔軟なサービスです。メーカー系に比べ保守料金が割安な傾向がありつつも、サービス品質は高水準で、緊急時の対応も遜色ありません。さらに、複数メーカーのエレベーターに対応してきた経験から、異種メーカーのエレベーターを一元管理できるケースも多く、ビル内にメーカーの異なるエレベーターが混在していても一括して24時間監視してもらえる利点があります。

遠隔監視システムとクラウド連携の活用
24時間体制を支える技術の一つに、遠隔監視システムの活用があります。リニューアル時にエレベーターに通信端末を設置しておけば、稼働データや異常情報が常時クラウド経由で監視センターに集められます。独立系保守会社では、メーカーの枠を超えて複数エレベーターを統合監視する独自プラットフォームを構築している例もあります。例えば前述のJESの「PRIME」は、異なるメーカー製エレベーターにも後付けでき、365日遠隔点検を可能にしています。クラウド上に集約されたエレベーターの状態データは、AIやオペレーターにより24時間監視され、異常時には即座に管轄エリアの技術者へ通知されます。
遠隔監視の利点は、トラブル発生を即検知・即対応できることです。例えば深夜に閉じ込め事故が起きた場合でも、利用者が非常ボタンを押さなくてもセンサーが異常を捉えて自動通報し、保守会社が即時に対応を開始できます。技術者は出動前にクラウド上でエラー内容や必要部品を把握できるため、的確な準備をして現場に向かえます。さらに独立系各社は全技術者にGPS端末や専用アプリを持たせて位置情報を共有しており、クラウドシステムが最も近くにいる技術者を自動選定して出動させる仕組みも整えています。これにより夜間でも対応スピードが飛躍的に向上し、停滞時間の短縮につながります。
独立系ならではのユニークなサービスも登場しています。ある独立系企業(エレベーターコミュニケーションズ社)では、閉じ込め事故発生時に利用者がかご内掲示のQRコードをスマホで読み取ると、救援に向かっている技術者の現在位置を地図上で確認できるシステムを開発しました。まさに「エレベーター版Uber」のような発想で、到着予定が見えることで閉じ込められた乗客の不安軽減につながる画期的なサービスです。独立系はこのようにIT技術を駆使したサービス革新にも積極的で、24時間体制をより安心・便利に進化させています。
緊急対応フローと保守契約のポイント
24時間対応体制を確実なものにするには、緊急対応フローの整備と明確な契約が重要です。独立系保守会社と契約する際は、次のポイントを確認・取り決めしておきましょう。
- 非常通報の受信先: エレベーター内の非常ボタン押下時に通報が繋がるコールセンター(または警備会社)が24時間有人対応であることを確認します。契約によっては自社センターでなく提携先に繋がる場合もありますが、いずれにせよ深夜でも確実にオペレーター対応されることが肝要です。
- 平均到着時間と待機体制: 緊急出動要請から現場到着までの目安時間や、夜間・休日の待機要員の配置状況を聞いておきます。例えば「○○支店で常時技術者が夜間待機」「コール後30分以内に対応開始」など具体的な体制を示してくれる業者が望ましいでしょう。
- 部品在庫と修理体制: 深夜の故障でも迅速に修理できるよう、主要部品を常備したパーツセンターを持つ業者が安心です。独立系の場合、複数メーカーの汎用部品をストックしている会社もあり、メーカー取り寄せを待たずにその場で修理完了できるケースもあります。
- 大規模災害時の対応: 地震など広域災害では、一度に多数のエレベーター障害が発生します。独立系保守会社では本社に対策本部を設置し、被害状況の情報収集や対応優先順位の決定を行う体制を取る例があります。病院・福祉施設を最優先に、人命に関わる現場から順に復旧に当たるといった計画を持つ会社だと安心です。
- 保守契約内容の確認: 24時間対応や遠隔監視サービスは契約オプション扱いの場合もあるため、契約プランに含まれているか確認します。独立系の中には、リニューアル工事後○年間は無償保証+24時間駆け付けを標準提供するところもあります。サービス範囲と料金を明確化し、必要に応じプランを選択しましょう。
以上の点を事前に詰めておけば、リニューアル後のエレベーターも常に有人監視されている安心感を持って利用できます。独立系保守会社は柔軟に要望に応じてくれるので、「深夜の対応を強化してほしい」「テナント向けにエレベーター異常情報を共有してほしい」といった相談にも乗ってくれるでしょう。
エレベーターの安全は設備面の強化と保守体制の充実が車の両輪です。せっかく独立系による柔軟なリニューアルを行ったなら、その後の保守も独立系としっかり連携し、24時間万全の対応力を備えておきましょう。それが災害時・非常時における被害軽減と、人命・ビジネスを守る安心につながります。

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