【保証・アフター編】独立系で“更新後20年”を見据える契約設計

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リニューアル後の「20年」を考える重要性

エレベーターのリニューアル工事はゴールではなく新たなスタートです。一般にエレベーター設備の耐用年数は約25~30年とされ、一度リニューアルすればそこからさらに20年程度の長期運用を見据えることになります。したがって、「更新後20年」を安心して使用できるよう、工事後の保証・アフターサービスを含めた契約設計が不可欠です。

メーカー系・独立系を問わず、リニューアル工事後には通常1年間の工事保証(製品保証)が付与されます。これは工事で交換・設置した部品の不具合について無償修理する期間であり、いわば初期不良に対する保証です。したがってリニューアル後最初の1年間は、慌てて高額な保守契約を結ばずとも保証内で対応可能なケースがあります。しかし保証期間終了後は当然ながら保守契約に基づく有償対応となるため、長期的なメンテナンス計画を立てておく必要があります。

独立系企業にリニューアルを依頼する場合、しばしば工事後の保守契約もセットで提案されます。実際、独立系保守会社でリニューアルを実施した場合は、その会社が継続して保守点検を担うのが基本です。これは、独立系ごとに制御盤などに独自仕様があるため、他社が引き継ぐときに部品調達や技術情報の問題が生じやすいからです。リニューアルを行った会社が引き続き面倒を見る方が、部品在庫やノウハウの面で安心できるのは確かです。そのため管理組合としても、リニューアル工事契約と合わせて工事後○年間の保守契約について検討するケースが多いでしょう。

保証期間と長期保証プランの確認

独立系エレベーター会社に工事を依頼する際は、各社が提供する保証期間や内容を十分に確認しましょう。メーカー系の場合、リニューアル後の保証は1年程度で、その後は通常の保守契約に移行することが多いですが、独立系ではより長期の保証プランを用意している企業もあります。

例えばある独立系専門会社・エレベーター・デポ東京では、リニューアル後に業界最長となる5年間の保証を標準提供しています。5年という長期保証はメーカー系にはない手厚さであり、同社が自社工事の品質に自信を持っている証とも言えます。また、別の大手独立系であるエレベータシステムズ(ESTEM)では最長20年保証プランまで用意されています。20年というのはリニューアルから次回更新までをほぼカバーする驚異的な長期保証で、こうしたプランを活用すれば長期のライフサイクルコストを大きく抑制できる可能性があります。

もっとも、長期保証プランは通常その企業で保守契約を継続することが前提となります。例えば「20年保証付きプラン」は、20年間の保守パック契約と一体で提供されるケースが考えられます。そのため契約内容を詳しく確認し、保証範囲(どの部品・不具合までカバーするか)や条件(定期点検を怠らないこと等)を理解しておきましょう。長期保証が充実している会社ほど、「万一の故障時にも自社が責任を持って対処する」という姿勢が強く、自社工事の品質に自信を持っていると言えます。

保証内容で特に確認すべきポイントは以下です。

  • 保証対象: 制御盤や巻上機など交換機器のみ保証か、エレベーター全体(既存部分含む)に対する保証か。一般的には交換部品が対象ですが、長期保証プランでは既存部分の主要故障も一定範囲で含む場合があります。
  • 保証期間: 何年間の保証か。延長保証オプションがあるか。先述の通り独立系では2年、5年、最大20年と会社によって様々です。
  • 保証対応内容: 故障発生時の無償修理範囲(部品代・人件費の扱い)、緊急対応の可否(24時間対応かどうか)、代替機の提供(長期停止になる場合の仮設リフト等)について。
  • 条件や除外事項: ユーザー側の過失や天災による故障は保証対象外とするなど、適用除外事項。例えば落雷や水害による故障は保証されない等の一般的な条件は把握しておきます。

独立系にリニューアルを頼む際は、ぜひこうした保証条件を書面できちんと取り決めておきましょう。施工保証とアフターサービスの確認は極めて重要であり、万一不具合が発生した際の対応についても事前に合意しておくことが望ましいです。

保証期間と長期保証プランの確認

アフターサービスとメンテナンス契約

保証期間が過ぎた後のアフターサービス体制も、長期運用には欠かせない要素です。独立系の多くは24時間365日の緊急対応や遠隔監視サービスを提供しており、これはメーカー系と遜色ないレベルにあります。例えばJES(ジャパンエレベーターサービス)は独自の遠隔監視システムで異常を検知し、24時間体制で緊急対応できるサポート網を構築しています。また災害時の対応力も強化しており、「緊急時や災害時も万全のサポート体制」を掲げています。

リニューアル後のメンテナンス契約については、独立系各社でプラン内容を比較検討すると良いでしょう。フルメンテナンス契約(部品交換費用込み)とPOG契約(一部消耗品を都度精算)のどちらが適切か、更新後のエレベーターの状態によって判断します。機械が新品同様になるリニューアル直後は、故障リスクが低いため保守プランを見直す好機でもあります。独立系に切り替えたことで保守料金自体がメーカー系より安価になる傾向もあります。実際、メーカー系の保守費用と比べ独立系では月額費用が30~40%減となるケースも多く報告されています。リニューアルによって安全性と信頼性が向上したエレベーターには、過剰なサービスを省いた適正価格の保守契約を提案してもらうのが望ましいです。

さらに独立系ならではのアフターサービスとして、交換部品の長期供給保証定期的な無料点検サービスなどが挙げられます。例えばリニューアル後一定期間は年1回無償点検を行い、早期不具合を未然に対処するサービスを提供する会社もあります。またリニューアル後のエレベーターはメーカー名こそ変わるものの、「当社製エレベーター」として新設同様の扱いで対応してくれる独立系企業もあります。京都エレベータなどは自社で新設製造認可を持ち、リニューアル後は自社製品として責任を持って対応すると明言しています。こうした体制がある会社なら、安全性や保守面でも安心して任せられるでしょう。

長期視点の契約設計まとめ

エレベーターリニューアルを成功させるには、工事後の長期フォローまで見据えた契約設計が必要です。独立系企業を活用する場合、保証期間の長さアフターサービス内容で各社に特徴があり、最大5年・10年、さらには20年保証プランを用意する企業も存在します。長期保証が充実している会社はそれだけリニューアル工事の品質にもコミットしており、管理会社・オーナー側にとって心強いパートナーとなるでしょう。

契約にあたっては、工事後の保守契約についても総合的に検討し、ライフサイクルコスト全体で最適化を図る視点が重要です。独立系への切替でコスト削減が可能な分、浮いた予算を長期保証オプションに充当するなど、長期的な安心と費用低減のバランスを取る工夫も考えられます。

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